つがいけサイクリングは大望峠(後編)
さて栂池からのサイクリングも善光寺を経て戸隠までやって来ました。
いよいよ今回の目的地、大望峠(だいぼうとうげ)です。
【大望峠】
このコースを考えるのに、白馬から半日で往復できる峠という事で地図を見ていました。
そこで目に入ったのがこの峠です。
しかも、ネットで調べると北アルプスを見渡せる展望台があり、そこから撮った写真が見事です。
この峠に行きたい。気分は一気に信州に飛びました。
宝光社の手前で鬼無里・白馬方面への標識に従い左折すると大望峠まで約5キロ。
道は一旦下って、もう一度登り返す感じです。
緑の中の道を登るとあっけなく到着。

展望台への分岐の近くで、自転車の人を発見。
軽く挨拶して、私は展望台へ。
見晴らしは良いのですが、残念ながら雲に阻まれて北アルプスも戸隠連峰も見えません。
それでも開放的ないい景色です。
景色を見ながら、宿からリュックで担いできたバナナとSOYJOYで休憩。
先程まで、他の人と話されていた野良着姿のおじさんが、「撮ってやろうか」と私のカメラを指差して言ってくれます。
お言葉に甘えて、立て札の前で自転車と一緒に記念撮影。
「北アルプスはどの方向ですか」との私の問いに、
「あっちだけど、雲の中。雲が無ければ槍まで見えるよ」
「見えたらこんな感じ」と、パンフレットをくれました。
地元の集落の方が、交替で見回っておられるのかも知れません。
雲が切れてきたので、昼からなら見えるかも知れないと教えてくれます。
でも「昼まで、ここに居られんもんな」と笑いながら、おじさんは軽トラに乗って峠を下って行きました。

【鬼無里】
大望峠から鬼無里への下り斜面には集落が点在しています。
道幅が狭くて家の軒先をすり抜けるような所もたくさんあるので、かなりゆっくり下ります。
自転車が、土地の人から迷惑がられないように、こういう場所では気配りのある走行をしたいものです。
鬼無里(きなさ)は自然と素朴さを売りにした観光に力を入れているようです。
国道と県道が交わる辺りには、ハイキング姿の人やドライブで立ち寄った人の姿もちらほらと見られました。
私も観光気分で、おやきの「いろは堂」に入ります。
レースに参加しているお二人に、おやきのお土産でご機嫌伺いという算段です。
民芸風の店に入り、注文を紙に書いてお店の人に渡します。
ふと見ると、先程、大望峠の下で見かけた自転車の兄ちゃん。
「また、会いましたね」という事で、彼の隣に腰掛けさせてもらいます。
彼は、京都から「急行きたぐに」という夜行列車を利用して、今朝信州に入り、妙高から白馬へ写真を撮りながらサイクリングしているとのこと。
さらに、今日中に白馬から京都へ帰るのだそうです。
2人が、話していると、お店の女将さんやハイキング姿のお客さんも話の輪に入ってきます。
白馬へは、峠を一つ越えないといけないという話になった時、
お店のおばあちゃんが、「あの峠を越えるのは大変だ、小川村へ降りた方がいいんじゃないの」と心配してくれます。
女将さんが「この人たちは、山越えたくて自転車に乗ってるのよ」
周りの人は大笑い。
「そうかね」とおばあちゃんは首をかしげています。
いづれにせよ、ちょっと変わった2人に、周りの興味があったのは間違いなさそうです。

【峰方峠】
レースに参加しているお二人に電話すると、すでに宿に戻られているとのこと。
少し急ぎましょう。
鬼無里から、国道406号で白馬へ向かいます。
道は、きれいな川の流れに沿って少しずつ登っています。
集落のはずれに「鬼無里 最終の店 酒・ビール」と書いた食料品屋さん。
前を見ると、先に「いろは堂」を出た自転車の彼。
追い抜きざまに「お先に」と挨拶し、そのまま先に行かせてもらいます。
この辺りから道は山道らしくなり、勾配も少し急になります。
とは言え、時々アウターに入れるかインナーのままで行くか迷うような場所がある、まったりした登りです。
宿へ早く着きたいという気持ちのせいか、峠までがやけに長く感じます。
谷が深くなりトンネルが出てきたので、ここが峠かと思ってトンネルを抜けると、まだ登りが続きます。

ようやくの事で2つ目のトンネル。
ここが峠のようです。
家へ帰ってから、大望峠でおじさんに貰ったパンフレットを見て知ったのですが、トンネルの名前が「白沢洞門」。
峠の名前は「峰方峠」で、トンネルを抜けると目の前に北アルプスが見える絶景ポイントのようです。
残念ながら、ここでも北アルプスは雲の中。
もしここで、不意に北アルプスが見えていたら、知らなかっただけに感動もひとしおだったことでしょう。
道は、ここから白馬駅まで一気に下ります。
変化に富んだコーナーを次々とクリアしていく楽しさは格別です。

【栂池へ】
ここまで来たら、宿まではあとわずか。
国道148号を少し走り、森上から宿のある栂池へ登ります。
自転車を積んだレース帰りの車が下っていく中を、黙々と登って行く私は何者?という感じです。
14時少し前、ようやく宿へ着くと、待っていてくれたお二人が出迎えてくれました。
走行距離は118キロ。
北アルプスは雲の中でしたが、信州の魅力にふれることができた大満足のサイクリングでした。
私のわがままサイクリング企画を大目に見て、協力してくださったお二人に感謝です。

【おまけ】
もし北アルプスが見えたらこんな感じシリーズ
倉下の湯近くの白馬大橋から

(いつぞやのスキー帰りに撮った写真)
大望峠から

(大望峠でおじさんに貰ったパンフレットより)
峰方峠から

(大望峠でおじさんに貰ったパンフレットより)








