低い雲の丹後半島(後編)
さて、輪行による丹後半島の旅も、経ヶ岬を後にして後半に入ります。
【伊根の舟屋】
経ヶ岬トンネルから伊根町に入ってからも、しばらく若狭湾と甲崎を眺めながら、海岸の地形に沿ったアップダウンとカーブの素晴らしい道が続きます。
国道が海岸線を離れ坂を下ると「浦島神社」という標識が出てきます。
浦島太郎伝説のある神社だそうです。
♪むかし~むかし~浦島は~

ここから国道を離れ、海沿いの道を行くことにします。
ところが、津母トンネルまでの登りが結構キツイ。
今日のコースで一番キツイ坂かも知れません。
道は心細いし、猿が道を横切ったりします。
しかも海はあまり見えません。
下った所が泊海水浴場。
ここからもう一度登って伊根港を目指します。
新井の集落では住民の方が大勢で道路脇の草刈をされていました。
海に向かって造られた棚田があっていい感じの集落です。
ほどなく「舟屋の里伊根」という道の駅に到着。
こんなのが出来ているんですね。以前来た時にはなかったような気がします。
ここから対岸の舟屋がよく見えます。
伊根の舟屋と言えばNHKの連続テレビ小説「ええにょぼ」。
話はよく覚えていませんが、ミポリン(吉本新喜劇ではない方)が歌っていたテーマ曲はギターの伴奏が印象的で好きでした。
♪し~あ~わ~せに~な~るため~に

【天橋立】
「舟屋の里伊根」から知らず知らずに新しい国道178号に誘導されていました。
新道は伊根トンネルを初め幾つかのトンネルで直線的に引かれた味気ない道路です。
自転車には海岸線を走る旧道の方が良いような気がします。
新道と旧道が一本になる養老海水浴場から、国道は高低差のない海岸線を直線的に走ります。
ちょっと時間が押しています。
このままでは明るいうちに福知山へ戻れるかどうか微妙です。
幸い、相変わらず風は北からの湿った風。
この風を利用して一気に遅れを取り戻しましょう。
国道が右へ直角に曲がる交差点まで走れば、天橋立。
天橋立の中は自転車の通行が可能です。
散歩気分で松林の中を通ります。
季節外れのこの時間帯、人の姿もまばらです。
廻旋橋付近で10名ほどの自転車の人達。
今日見かけた、数少ないサイクリストの中で一番の多人数です。
丹後半島、オートバイツーリングの人は多かったなあ。

【普甲峠】
さて、宮津までやって来たので、福知山まで残り40キロ弱となりました。
ただし、今日のコース最大の山岳ポイント普甲峠で大江山を越えないといけません。
最後に用意された超級山岳の気分です。
「京都縦貫自動車道」の道標に従えば、自然に府道9号に入りました。
道も確認出来たので、山越えの前に食料補給。
リュックに入れていた朝食の残りのおにぎりと昼食の残りのお茶。
車は宮津天橋立ICに吸い込まれていくので、そこから先は交通量もまばら。
この辺りから緩やかに道は登っています。
道が曲がりくねってくると、少しずつ勾配もきつくなってきます。
北からの湿った空気が山にあたり、案の定、霧雨。というか雲の中。
登るにつれて視界はどんどん悪くなっていきます。
トンネル通行用に付けているテールランプを点灯。
車も時折すれ違う程度で殆ど通りません。
霧の中から鬼が現れそうな雰囲気です。
少し勾配が緩くなったと思ったら大江山スキー場。
この辺りが峠です。
下りに入ると視界は良くなってきました。
路面は濡れていますが下りコーナーを楽しみます。
北近畿タンゴ鉄道の大江山口内宮駅辺りまで軽快に下ります。

この府道9号の普甲峠、自転車で越えるには本当に良い道だと思います。
交通量が少なく、道幅も殆どの区間でしっかり2車線あり舗装もきれいです。
勾配も10%を超えるような所は無いのではないでしょうか。
その割りに斜度変化があって登り応えもあります。
道の曲がり方も、ヘアピンカーブから大きな半径のカーブまで様々で、下りも十分に楽しめます。
おまけに所々に愛嬌のある鬼さんが立っています。
天気が良ければ、きっと景色も素晴らしい・・・と思われます。

【福知山へ帰還】
北近畿タンゴ鉄道に沿って南に下り、国道175号に。
上天津で、朝通った由良川西側の道に入ります。
もうゴールはすぐそこです。
この辺りまで来ると、雲は高くなって切れ間も見えます。
もしかしたら、もっと南の方は晴れていたのかも知れません。
という事は、私は、わざわざ雨雲の誕生する場所まで来て、一日、自転車で走っていたのか?
でも、お陰で気温が低くて助かりました。(ちょっと負け惜しみ)
時々見かけた道路脇の温度表示は、概ね15~18℃くらいでした。

18:40、無事、福知山駅に到着。
何とか明るいうちに戻ってきました。
走行距離は167キロ。
輪行袋に自転車をしまい、着替えを済ませ、車中の人に。
ビールを片手に、今日の写真をデジカメの液晶画面で見ながらほろ酔い気分です。
良かったなあ、丹後半島。








