探索、八丁林道と花折峠
週中に続いた秋晴れは、土曜日まで持たないと思っていました。
けれども前日の天気予報で、土曜日も晴れると言っています。
しかも、日曜日は雨で、その後は冷え込むらしい。
となれば、土曜日の晴れは見逃せません。
この所、少し気になっていた八丁林道へ行ってみましょう。
八丁林道は、私が若い頃(今から30年くらい前、遠い昔の話です)に、よくオフロード用のオートバイで走った道です。
国道162号線の上弓削あたりから八丁峠を越えて佐々里へ抜けます。
当時は、道の真ん中に1メートル以上もある岩が落ちていたりして、二輪車でないと通れない事があるような道でした。
五波峠も未舗装だったので、八丁林道と五波峠を走れば、かなり長いダートを楽しめたのです。
一月ほど前の保津峡行きで、おばちゃんの店の常連さんが、八丁林道を横切るスーパー林道の話をしてくれました。
そう言えば、八丁林道は今どうなっているかなとWebで調べると、殆どが舗装されているというレポートがあります。
これは一度行ってみなければ、と思っていたのです。
八丁林道で佐々里へ抜けてからは、佐々里峠、能見峠を越えて滋賀県に入り、まだ行った事の無い花折峠へ行ってみようと思います。
その後の行動は、その時の時刻によって考えましょう。
帰りは鉄道を利用できるよう、輪行袋と着替えを背負って出発です。
【京北町へ】
川西から国道477号で北へ向かいます。
ひいらぎ峠で北摂から丹波に入った途端、それまでの青空が嘘のように盆地霧の中。
神前の里から千代川へ。

水鳥の道あたりでようやく霧が晴れて、再び青空が見えました。
ここから京北町に抜ける国道477号の杉林の中の道は、自転車で走るのに向いていて大好きな道です。
京北町のサンダイコーで弁当を買って昼食。
今日のコースでは、ここから先には補給できそうな場所がありません。
パンと飲み物も買ってリュックに入れます。

【八丁林道】
国道162号を北へ走り、いよいよ八丁林道です。
長い間、行っていないので、どれが林道の入口だったかうろ憶えです。
Webのレポートの通り、カモノセキャビンの手前に入口を発見。
当時はここからいきなりダートでしたが、なるほどきれいに舗装してあります。
変わらないのは、ここが別世界への入口という佇まいだけ。

今日は、熊対策の秘密兵器を持ってきました。家に転がっていた携帯ラジオです。
スイッチを入れて京都放送に合わせます。
最初は沢沿いの道なので、沢の音にかき消されてラジオの音が聞こえません。
登るに従って、ラジオも鮮明に聞こえるようになりました。
ラジオを聞きながら散歩気分の登りも、なかなかオツなもんです。

峠も近くなり、谷向こうの尾根が木々の間から見え出すと、道が未舗装になりました。
とは言え、ここまでに高度を上げているので、勾配はさほどきつくありません。
自転車に乗ったままでも進むことが出来ます。
(もちろん、自信の無い方は押した方が無難です)

この未舗装区間から西に開けた眺望が素晴らしい。
ずっと向こうまで、尾根が幾重にも連なって見えます。
思わず、ラジオの曲に合わせて歌いたくなります。
「あふ~れだす情熱を~おま~えだけに注ごう」
なぜかクリスタルキングの蜃気楼がかかっていました。

峠に着くと八丁林道を横切るように噂のスーパー林道。
西側に行く道路も東側の道路も門が閉まっていて鍵がかかっています。
八丁林道の未舗装区間はここまで。
国道162号側からは全て登りになります。

峠からは、舗装路の上に落ち葉という風情のある道を下ります。
時々見える周りの山肌は、すでに紅葉で絨毯模様。
途中で、「至美山」と書かれた木製の道標に従って左に折れ、橋を渡り林道大川上線へ。
八丁川に沿って下ると、だんだんと道の落ち葉も少なくなり、開けてくると佐々里です。



【佐々里峠】
佐々里からは、府道38号を東に向かいます。
小さな集落を抜け、やわらかな日差しの下、坂を登り佐々里峠を目指します。
この道も自転車にはうってつけ。
時々、通るオートバイに交じって、一人下ってくる自転車の人とすれ違いました。

佐々里峠を下り、のどかな集落を抜けると久多方面分岐の道標。
能見口橋を渡り、府道110号で久多方面へ。
ここは、お世話になっているショップチームのメンバーに何度か連れてきてもらったことがありますが、能見口橋が新しい橋になり、あたりの雰囲気が変わっているのにビックリです。


【能見峠】
橋を渡ってしばらくは、能見川沿いに緩やかに登ります。
道が川から離れ、勾配が急になるとほどなく峠。
峠には、車が一台。ハイキングの人の車でしょうか。
武奈ヶ嶽の見える場所に腰を下ろし、リュックに背負ってきたメロンパンを食べながら休憩。
そこへ、車の主が高枝切りバサミを持って帰ってきました。
そのおじさんはブナの木を観察されているとの事。
ブナについていろいろと教えてくれます。
おじさんの話では、比良山系のブナの木には、大台ケ原のものと同じ遺伝子を持つものがあるんだそうです。

【安曇川に沿って】
峠を下って、久多の集落を抜け、色づいた山を見ながら川の流れに沿って進みます。
しだいに景色が開け、梅ノ木で国道367号に突き当たります。


道を右へとって、これまでの道に比べると交通量のある国道を南へ。
ダラダラ坂を登り、気がつくと坂下トンネルの入口。
ここは国道の下を通る安曇川に沿った道を通るつもりだったのですが、どうやら入口を見逃したようです。
止まって、左下を見下ろすと、それらしき道が見えています。
一旦下って、その道へ入り直そうかと思案している所へ、ロード自転車の人が、走りながら私に「チワッ」と声を掛けトンネルの中へ消えて行きました。
陽もだいぶ傾いてきましたし、花折峠を探索するのにどれくらいの時間がかかるか分りません。
今日の所は、時間を稼ぐために、テールランプを点けトンネルを行くことにします。
国道からは所々で安曇川沿いの道が見えましたが、いかにも自転車向けの走りやすそうな道です。
またここを通る機会があれば、そちらを走ろうと思います。

【花折峠】
坂下トンネルに続き、行者山トンネル、牛の鼻トンネルを抜け、注意して左側を見ていると、林道花折峠線の看板。
これが花折峠への道のようです。

入口にはチェーンがありますが、それをまたいで入ります。
道は舗装されていますが、数十メートルごとに、高さ10cmくらいのゴムの帯が道幅いっぱいに設けられています。
自転車は、これが現れるたびに乗り越えなければなりません。
入口には、近畿自然歩道の標しや、ハイキング向けの案内があり、ここがハイキング道だという事が分ります。
自転車等がスピードを出して走ると危険なので、ゴムが設置されているのでしょう。
こういう所では自転車は、歩いている人の道を拝借して、走らせてもらっていると思わなければなりません。
ハイカーの方がいたら止まって道を譲り、挨拶するくらいの配慮は必要です。
とは言え、すでに時刻も16時。私以外の人を見かけることはありませんでした。

しばらく登ると切り通しで越える峠に到着。
峠には花折峠と書かれた石碑。
脇の小道を少し登ると、奥比叡の山々を眺望できる場所もあります。
景色を堪能してから、ゆっくりと下ります。
舗装されているかどうか心配だったのですが、林道に未舗装の部分はありませんでした。



【堅田へ】
林道を下ると再び国道367号。
ここからは、ロードレーサーの持ち味を十分に発揮。
連続する2つのS字コーナーを気持ちよく曲がり、途中トンネルの方へ一気に下ります。
時刻は16:30。
当初は京都へ抜けることも考えていたのですが、この時間からではちょっとキビシイ。
今日のところは、素直に堅田へ下ることにしましょう。
途中口から国道477号に入りレインボーロードを琵琶湖大橋の方へ下ります。
市街地が近づくにつれて交通量も多くなり、ついには長い渋滞の列。
でも、ここまで来れば急ぐ必要もなし。
車道と歩道を行ったり来たりしながら、車の脇をゆっくりと進んでJR堅田駅を目指します。

今日はこの時期にしては気温が上り、少し汗ばみました。
ひとっ風呂浴びて帰りましょう。
昨晩、調べておいた堅田湯という温泉の場所を地図で確認。
行ってみると、近所の人が通う、路地に面した銭湯です。
番台でおばちゃんが迎えてくれます。
浴室にはお客さんが2人ほど。
湯船に浸かっていると、洗い場にいた爺さんが「これ使こたらええ」とカゴの中のボディソープを指差してくれます。

さっぱりして、風呂屋を出ると日はすっかり暮れていました。
堅田の駅まで移動して、自転車を輪行袋にしまいます。
駅前のコンビニでビールと豚饅を買い、バスターミナルのベンチに腰掛けてゴクリと一口。
ほろ酔い気分で、人の行きかう駅前の風景をぼんやり眺めながら、今日走った道を思い返します。
やわらかな秋の日差しが印象的な一日でした。

<今日のルート>
・自宅~川西~(国道477号)~本梅~(府道73号)~千代川~(水鳥の道)~(国道477号)~京北町
・京北町~(国道162号)~上弓削~(八丁林道)~佐々里~(府道38号)~能見~(府道110号)~(県道781号)~梅ノ木
・梅ノ木~(国道367号)~(花折林道)~(国道367号)~途中~(国道477号)~堅田
・JR堅田駅~(輪行)~自宅
走行距離:約155km



















