高野龍神から有田の旅(後編)
護摩壇山で1時間ほど過ごした後、龍神温泉へ向けて出発です。
道はすぐに下り坂。
下り始めてしばらくは、かなり勾配もあり、またまた足が回りきってしまいます。
ようやく道が川沿いを走るようになると次第に勾配も緩やかに。

下り基調の道を快適に走るとやがて温泉トンネル。
ここはトンネルをパスして龍神温泉の方へ。
静かな温泉街の集落を抜けると先程のトンネルの出口です。

ここで思案。
帰りは電車賃を節約するために、出来るだけ北へ上りJR紀勢線の海南や有田あたりから電車に乗りたいと思っています。
地図を見ると、温泉トンネルの南から湯の又谷を登って、西側の国道424号へ出る道があります。
これを通れば、無駄に南下することなく、海南や有田に近づけます。
その湯の又谷への道の入口を見つけましたが、これがどうも怪しい感じの道です。
山越えの途中で崩土があったりしたら、時間を大きくロスしてしまいます。
急がば回れ、不慣れな土地でもあることですし、今日の所は無難に国道を行くことにしましょう。

国道は日高川に沿って南下。交通量も少なく快適です。
この辺りから川幅は少し広くなります。
川には鮎釣りの人が等間隔で並んでいます。
道は川に沿って蛇行しているので、しばらく山陰で涼しいと思っていたら徐々に向きを変え、またしばらく日向が続いたりします。
国道371号から国道425号を経て国道424号に入り北上。
この間、地名は龍神村のまんまです。龍神村って結構広いんですね。

国道424号が龍神村を後にすると、日高川の川幅は一段と広くなり、道から川面までの落差も大きくなります。
さすがに紀伊半島。雨量の多さを物語っているなあと感心していたら、椿山ダムという大きなダムが出てきました。
この辺りは日高川でありながら、ダム湖的な景観でもあったんですね。

椿山ダムを過ぎてしばらく行くと、国道424号は西へ流れる日高川と離れて北上を続けます。
有田I.Cまで25キロの標識。
時刻は16:40。
有田に着くのは日没ギリギリという感じでしょうか。

おそらく今日最後の山越えと思われる、白馬トンネルに向けての登り坂。
予定では、白馬トンネルを旧道で越え、その先の「かなや明恵峡温泉」で渓谷の露天風呂と洒落込み、海辺の町に降りて海鮮丼に舌鼓というつもりだったのですが、そんな余裕は全くありません。
(毎度の事ながら、なんでこないなるんやろ)
とにかく日が暮れるまでに、市街地にたどり着くことが最優先。
テールランプを点灯しトンネルを行きます。
トンネルを抜けると狭くてカーブの多い道を下ります。
この区間はトンネルによる拡幅工事が進んでいるようなので、今走っている道は、遠からず過去の道になるのでしょう。

しばらく行くと次第に交通量が多くなってきました。
どうやら市街地の端っこに入ったようです。
何とか明るいうちに市街地に出られたのでホッと一安心、ここで一息入れましょう。
自動販売機でジュースを買い、適当な所にへたり込み、リュックからドラ焼きを取り出して食べます。
地図を確認すると紀伊宮原という駅が近そうです。
有田I.C方面に走りますが、道がちょっと不安。
畑の脇で花に水をやっていたおじさんに訊ねると、有田川に沿った分りやすい道を教えてくれました。
阪和自動車道の下をくぐり、紀勢本線の線路と並走するとそろそろ紀伊宮原駅のはず。
ところが駅の場所がよく分りません。
散歩していたおじさんに聞くと駅はすぐそこ。
ついでに近くの温泉も教えていただきました。

18時過ぎ、すっかり日が暮れる頃、有田川温泉に到着。
ここで今日のサイクリング走行は終了です。
走行距離は167km。
温泉で汗を流して着替えます。
さっぱりして一息ついた後、駅までの1キロ弱を自転車で移動。
どこが駅なのか分らないほど静かなところにある小さな駅。
駅舎横の公衆電話の明かりで自転車を輪行袋にしまいます。
自転車をしまっている間に列車を1本見送ってしまったので、次の列車は19:56です。

それにしても有田の人は皆さん親切でした。
思案の末、分りやすく自転車で走りやすい有田川沿いの道を教えてくれた、畑のおじさん。
(夕闇せまる中、交通量の少ない道を迷うことなく駅に向かうことが出来ました。)
駅への道順と一緒に、温泉の場所まで教えてくれた散歩のおじさん。
(温泉でさっぱりとして電車に乗ることが出来ました。)
自転車を事務室に置かせてくれた、有田川温泉(光の湯)のスタッフの方々。
(盗難やいたずらを心配すること無く、安心して入浴することが出来ました。)
自転車を輪行袋にしまっている時、話しかけてこられて「ビールの自動販売機はあの明かりや」と教えてくれた、タクシーの運転手さん。
(駅前には何もなかったので、ビールは和歌山駅までおあずけと諦めていたのです。旨いビールが飲めました。)
「この駅は7時以降、駅員さんがいなくなります。ICOCAは和歌山からなんですよ。」と教えてくれたのは、先程の電車で到着し、家の人が車で迎えに来るのを待合室で待っていた学生服の女の子。
(和歌山までの切符を買ったので、列車内や改札で面倒なことにならずに済みました。)
皆さん、本当にありがとうございました。

今回も心に残る旅でした。



















